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旧七夕会池坊全国華道展


池坊会館・烏丸通に面した「烏丸ステージ」の展示

「旧七夕会池坊全国華道展」に行ってきました。


京あはせでは、華道家元池坊様の書籍や機関誌の翻訳を請け負っています。そのご縁で、京都で華展が開催される際には、京あはせスタッフも拝見させていただいています。今回は、次の機関誌でこの華展が特集されるという想定で、取材を兼ねて見学してきました。


「旧七夕会池坊全国華道展」は江戸時代から続いている最大最古のいけばな展です。今年は、いけばな発祥の地・六角堂を建立した聖徳太子の千四百年忌にあたるとのことで、「聖徳太子千四百年大遠忌記念『和と美』」をテーマに開催されました。池坊いけばなの特色である「和の精神」は、聖徳太子が説いた「和を以て貴しとなす」に基づいているそうです。


華展では、家元・池坊専永氏、次期家元・池坊専好氏をはじめとして、全国各地の池坊会員さんたちによる作品が約850点展示されていました。伝統的な構成のものから斬新な作風のものまで多岐にわたる作品があり、どれも力作で、作品数の多さとも相まって圧倒されてしまいました。いけばなのテキストを翻訳させていただいたこともあるので、「これはあの本に書いてあった手法かな」などと考えながら拝見するのも楽しかったです。


家元作品

次期家元作品

会場となった池坊会館の3階にある「いけばな資料館」では、「聖徳太子千四百年大遠忌」を記念して、特別展示「聖徳太子の伝記といけばな」が開催され、六角堂に伝わる聖徳太子ゆかりの絵像や彫像が公開されていました。聖徳太子の伝記については、翻訳を担当している月刊の会報誌でも数ヶ月にわたって特集が組まれており、翻訳しながら毎回、その内容を興味深く拝読しています。翻訳中は外国人読者向けに歴史背景などの説明を補足するために、より詳しい情報を調べることもあったため、中学・高校の歴史の授業で少し勉強しただけの聖徳太子について、大いに知識を深めることになりました。翻訳というプロセスを経て、必然的に一定の予備知識を持った状態で展示を拝見したことで、展示品に関する解説を、より深く、また正しく理解することができたのではないかと思います。また、翻訳した会報誌では文章と小さな写真だけで紹介されていた絵や彫像も、実際に見ることができて感激しました。


華展を拝見し終わった後は、池坊会館に隣接する六角堂(紫雲山頂法寺)を散策しました。この六角堂についても、上述の会報誌等で、その歴史や境内の建築物の構造などについて特集されたことがありました。翻訳する際には写真等を参考にしましたが、自分が翻訳に関わった建築物などを実際に目にすると、感慨深いものがあります。今後またこの特集の続編があったときのために、本堂(六角堂)や太子堂などの建造物や、親鸞聖人像や十六羅漢像など、境内の様子をたくさん写真に収めました。


六角堂(頂法寺が「六角堂」と呼ばれる所以となった六角形の本堂)

六角堂境内の十六羅漢像

6日間の華展期間中は、各日ともさまざまなイベントが開催されていたようです。一日だけしか行けなかったので、すべてのイベントを見ることは叶いませんでしたが、次回の機関誌で華展の報告記事を翻訳することがあれば、実際に現地に行ったことが翻訳に活かせると確信し、貴重な取材機会に感謝した一日でした。

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